食べやすくなった高級マグロ 食卓を豊かに 養殖マグロと天然マグロ

運搬船から水揚げされるクロマグロ=境港市昭和町、境漁港(5月25日)
7月30日山陰中央新報によると、全国2位の生鮮クロマグロ水揚げ量を誇る境漁港(鳥取県境港市昭和町)で7月19日、今シーズンのクロマグロ漁が終了した。今年の初水揚げは5月25日で、クロマグロ漁が本格化した1982年以降で最も早く、水揚げ量は、豊漁だった前年を2・2%上回る1098・8トンだった。追い風となっているのが、昨年から認められている漁獲枠の拡大。拡大の根拠となったのが、資源量の回復を示すデータだが、実は境漁港が収集に大きな役割を果たしていた。 クロマグロは日本周辺をはじめ太平洋に広く分布する回遊魚で、日本やメキシコ、台湾など多くの国と地域で漁獲される。「本マグロ」の名前で提供され、すしや刺身の高級食材として利用される。回転すし店で提供されることの多いメバチマグロやキハダマグロと比べ、肉の色が濃い赤色で味も濃厚とされている。近年は、国際的に資源量の減少が問題視され、2015年に、関係国が2年ごとの会合で漁獲枠を取り決めることになった。

クロマグロの尾叉長を測定する試験場職員=境港市昭和町、境港水産物地方卸売市場(鳥取県水産試験場提供)
<資源量が急速に回復> 日本海のクロマグロ漁は中西部太平洋まぐろ類委員会が管理する。中西部太平洋の資源量は2010年に約1・0万トンと歴史的な最低水準を記録した。これを受け、漁獲枠は24年までに、平均値の約4・1万トンまで回復させることを目標にシミュレーションし、決められた。基礎となるのが、尾叉長、体重、年齢などから導出する親魚や幼魚の資源量だ。 20年の調査では、平均値を上回る約6・5万トンまで急速に回復し、当初の目標を4年繰り上げて達成。次の目標に掲げられた約13万トンも、23年の達成が見込まれるとして、4882トンに制限されていた日本の漁獲枠は、21年に拡大が認められ、翌年から約15%増の5614トンに引き上げられた。
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●主要なマグロの種類
主要なマグロのナンバー1はクロマグロ。続いてミナミマグロ。共に刺身用として利用されます。
1、クロマグロ (Atlantic Bluefin Tuna / Pacific Bluefin Tuna):
地中海を含む大西洋、太平洋の主として北半球に分布(大西洋と太 平洋で別種)。本マグロとも呼ばれ、マグロ類の中でも最高級品とされる。インド洋には分布しない。主に刺身に利用。
2、ミナミマグロ (Southern Bluefin Tuna):
南半球の高緯度海域を中心に分布。インドマグロとも呼ばれ、クロマグロに次ぐ高級品とされる。主に刺身に利用。
●クロマグロ養殖の現状
・ クロマグロは、水温、水質等の条件に恵まれた地域 や養殖種苗の漁獲地の近くなどで養殖。
・ 全国のまぐろ類養殖の経営体数は、85経営体(186漁場) ・ 国内では、曳き縄釣りで漁獲した全長20~30 cm、体重100~500 g 程度の幼魚(ヨコワ)等を生け簀に入れ 2~3年飼育して出荷するスタイル。
*経営体数、漁場数は令和4(2022)年12月1日現在
●クロマグロの養殖場のトップは長崎県
クロマグロの養殖場の数は断トツで長崎県。
第1位:長崎県(83漁場)
第2位:鹿児島県(36漁場)
第3位:愛媛県(18漁場)
●クロマグロ養殖の課題
・ 天然資源に頼らずに養殖を行うための、人工種苗の量産技術の開発
・ 養殖用配合飼料の開発
・ 海象条件等の厳しい海域での養殖を可能とする技術開発
●養殖クロマグロの出荷数
海外の需要も多く年々出荷数は増加傾向。2011年の出荷数は19万尾に対し、2021年は30万2000尾に増加。
●養殖クロマグロの海外輸出
海外でも需要のある養殖クロマグロは毎日のように出荷されています。海外輸出の養殖マグロは1尾50-100kg程度。注文を受けると、注文重量のマグロを生け簀内でダイバーが潜り探します。電気ショックを与え気絶したマグロを取り上げます。
取り上げられたマグロは、新鮮さを保つ為、1分程度の短時間で血抜きや内蔵除去などが行われ、氷水の中へ入れ冷やし込み処理。取り上げが終わると、体長、体重、PH値、温度、肥満度などを測定し記録。その後、放射線検査、官能検査、放射能検査などが行われ、各種証明書(産地証明、衛生証明、漁獲証明)が発行され、養殖マグロ梱包時に保冷剤を詰め込み各地空港へ送られます。
●お問い合わせは下記まで
info@kofukutrading.com
それでは、また次回K-blogでお会いしましょう。