中国が日本産海産物の検査強化 “処理水放出”めぐり… 狙いは“外交カード”

7/24日テレニュースによると、この夏にも放出が開始されるとみられている福島第一原発の処理水。放出に強く反対している中国では日本の海産物への検査態勢が強化されるなど、放出前にもかかわらず影響が出始めていました。そこには、処理水の問題を外交カードにしようとする中国政府の狙いがありました。

◇ 福島第一原発に保管されている大量の処理水。特殊なろ過装置を使って放射性物質を取り除いていますが、水と性質が同じトリチウムは最後まで取り除けずに残っています。 近いうちに保管の限界に達するため、この夏にも環境基準値を大幅に下回る濃度にまで薄めた上で海への放出を開始する予定です。 この処理水の放出計画について、IAEA=国際原子力機関は「人々や環境に与える放射線の影響は無視できる程度だ」と結論づけています。 しかし、その原発処理水の放出に強く反対しているのが中国です。

 

中国外務省報道官(今月20日) 「我々は人民の健康と海洋環境に責任を持たなければならない。海洋放出計画に反対し、関連措置をとるのに十分な理由がある」 中国は、まだ放出前にもかかわらず日本の海産物に対し全面的な放射線検査を実施しています。通関の手続きにこれまでの2倍から3倍ほど時間がかかるケースが目立っているのです。 北京にある日本料理店には、すでに影響が出ています。

日本料理店「東也」 谷岡一幸オーナー 「マグロとかウニは、日本料理店にとっては主力の商品。この商品が全く届かない状態」 店で扱う魚の8割を日本から輸入していたといいますが、いけすを泳ぐマダイも、アワビも中国産。日本の食材をウリにしていますが、店に日本の魚が全くない状態だといいます。

別の店では、日本の商品が入らないため、マグロを日本産からスペイン産に変更しました。日本料理店「藏善」 小林金二総料理長 「(スペイン産のは)日本産よりは脂ののりがあまりよくない。(日本産の)トロの部分はもっと脂がのります」    

 

◇ そして、日本産の海産物に対しての厳しい検査態勢は、中国の業者にも影響が及んでいます。 日本の海産物を扱う輸入代行業者では、仕入れた魚が傷み、今月7日以降、日本円で4000万円ほどの損失が出たといいます。 輸入代行業者(中国・北京、今月20日) 「以前は入ってきた翌日に海産物が税関を通っていたが、今は10日以上(かかっている)。すべての生ものが無駄になる」 処理水を「汚染水」と呼び続けている中国。批判的な報道を展開する国営メディアは、地球の裏側・ペルーにまで取材に出向いています。 ペルーに住む人(中国中央テレビの映像より) 「20年間ここで魚を売っていますが、とても悪いことです。漁業資源に大打撃を与えるでしょう。将来、何を食べればいいのでしょうか」 「ペルーの南海岸に住む人々は、普段から魚をたくさん食べています。私たちに直接的な影響を与えます」 “太平洋を挟んだ南米でも問題になっている”と報じていました。

 

◇ 中国側の狙いは何なのでしょうか。 NNN北京 森葉月記者 「習近平政権には、この処理水の問題を今後の対日交渉の場で使う外交カードにする狙いとともに、『弱腰だ』と批判されないよう国内向けに強気の姿勢で臨む思惑もあるか」 外交カードに使われる処理水の放出。日本政府は科学的根拠に基づいた議論を行うよう強く求めています。

記事の詳細はこちら

 

それではまた次回、K-blogでお会いしましょう。

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です