但馬牛の世界農業遺産で注目 100年以上の血統管理の凄さ「牛籍簿」とは?
牛籍簿(撮影)小関尚紀
7月30日日刊ゲンダイによると、7月6日の七夕イブの日に和牛好きにとっては大事件、但馬牛の世界農業遺産決定! のニュースが流れてきました。但馬牛の育成システムが、世界的に評価されたことになります。実はNIQ、今年の5月にこの対象地域である兵庫県の美方郡(香美町と新温泉町の2つの地域)を訪問し、実際に人と牛がとも生活していた村のエリア、但馬牛博物館を見てきたところなので、いつにも増して興奮しております。
但馬牛は、生きている時は『但馬うし』で、お肉にしてから『但馬ぎゅう』と呼びます。但馬牛は、ご先祖様がすべて、兵庫県生まれの牛で、兵庫県内純血の牛、これが但馬牛。これを100年以上にわたって守り続けています。世界にここにしかない遺伝資源をもっていて、母牛が一度、県外に出て戻ってきても但馬牛とは呼ばない厳格さ。 この美方郡から古くから受け継がれてきた但馬牛の伝統的な飼育システムが、FAO国連食料農業機関から世界農業遺産に評価されたことになります。世界農業遺産は、伝統的な農業などに取り組む地域の保全を目的にFAO国連食糧機関が2002年に創設したものです。
■日本が誇る和牛の血統管理 一体、何がすごいのか? 牛の血統登録をするために日本が誇る和牛の血統管理。ずばり、『牛籍簿』の存在です。 1897年(明治30年)頃、日本で初めての牛の戸籍づくりが始まりました。良い母牛からは娘の牛に良い資質が伝えられるという考え方を基に、人の戸籍と同じように、両親や生年月日、出生地などを記録した牛の戸籍【牛籍簿】をづくりが始まったのです。この記録を利用して、よい牛を生ませ、その遺伝子を繋げていく正確な牛の血統管理が始まったのです。それが、1948年(昭和23年)和牛の血統登録が日本全国で始まることに繋がったのです。
それではまた次回K-blogでお会いしましょう。