電子処方箋、ICカードリーダーは必要?導入わずか2%、厚労省「目標達成、厳しい」

時事通信社によると

医師が発行する処方箋をデジタル化し、薬局とオンラインで共有する「電子処方箋」の運用が全国で

開始されてから、間もなく半年を迎える。

政府は2024年度末にほぼ全施設をカバーするとの目標を掲げるが、導入している医療機関・薬局は、わずか2%。ほとんどは薬局のため処方実績は伸び悩んでおり、課題は山積みだ。

厚生労働省の担当者は「この進捗(しんちょく)状況では正直、目標達成は厳しい」と話す。同省によると、今月2日時点で全国に約23万ある医療機関・薬局のうち、導入済みは2%の4690施設。内訳は9割が薬局(4229施設)で、医療機関側は461施設(医科診療所423、歯科診療所24、病院14)だけだ。

 

導入が進まない要因の一つとして、電子処方箋を発行する際に必要となる医療従事者の資格証明書「HPKIカード」の発行に時間がかかっていることなどが挙げられる。

 

このカードは医師や薬剤師などの資格を証明するもので、一般財団法人「医療情報システム開発センター」が発行している。同センターによると、申請が集中しているため、受け取るまでに通常より1~2カ月ほど時間がかかっているという。

 

また、導入を見送っている鳥取県の病院担当者は「補助金も受けられるが、経費負担が大きい」と指摘する。複数の病院に通っている患者への重複処方などを防げるなどの利点が病院や患者側に十分伝わっていないといい、「義務でもないため急ぐ必要はなく、様子見をしている状況だ」と分析した。

 

●電子処方箋にカードリーダーは必要なのか?
電子処方箋の仕組みの中で利用できる電子署名方式は、ICカードリーダーなど物理カードを用いた署名方式(ローカル署名)、物理カードを用いない署名方式(カードレス署名)が利用可能であり、医療機関・薬局の皆さまはどちらかを選択可能。ローカル署名、カードレス署名に応じて異なります。

〇ローカル署名を選択した場合
署名の都度、HPKIカードをICカードリーダーにかざす運用であるため、端末毎にICカードリーダーが必要。

〇カードレス署名を選択した場合
電子署名を行うためにICカードリーダーを使用することはありませんが、カードレス署名を行うためには本人認証が必要となり、認証方法によって必要なICカードリーダーの数が異なります。認証方法としては、スマートフォン等の生態認証を活用した方法(FIDO認証)と、HPKIカードをICカードリーダーにかざす方法があります。後者の場合にICカードリーダーが必要となりますが、ローカル署名とは異なり、端末毎に必要となるわけではありません。

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