医療用大麻の解禁、「使用罪」創設の改正案　臨時国会へ提出を検討

大麻取締法の改正について議論した自民党の厚生労働部会=2023年9月7日、東京・永田町、藤谷和広撮影

9月8日朝日新聞DIGITALによると、大麻由来の医薬品の解禁などを盛り込んだ大麻取締法の改正案について、政府は今秋の臨時国会への提出を検討している。てんかんの治療薬など大麻由来の成分を使った「医療用大麻」を使えるようにする一方、乱用を防ぐため、罰則付きの使用罪を新たに設ける。

自民党の部会で7日、改正の内容について厚生労働省が説明した。今後、使用罪の罰則などを詰める。 　現行法は、大麻の栽培や所持、大麻を原料とする医薬品の使用を禁じている。大麻の主成分には、錯覚などの精神作用を引き起こす成分「テトラヒドロカンナビノール（THC）」のほか、害が少なく、抗てんかん作用や抗不安作用などがある成分「カンナビジオール（CBD）」も含まれている。米国などでは難治性てんかんの治療薬が使われている。

厚労省は2019年に、臨床試験（治験）に限って大麻由来の成分を使えるとの見解を示し、国内でもてんかん薬の治験が始まっている。法改正により、医薬品に使える大麻の成分を規制の対象から外し、有効性と安全性が確認され、薬事承認を得れば使えるようにする。

医療用大麻をめぐってはその有用性が認められ、国連の麻薬委員会が20年、薬物を規制する「麻薬単一条約」で、大麻を「特に危険」とする分類から外す勧告を可決している。

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