背景と目的
GEヘルスケア・ジャパン株式会社(以下、GEヘルスケア)は、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)との協力により、超音波診断技術の遠隔トレーニングサービスを提供開始しました。この新しいサービスは、特に地域的な制約を受ける医療従事者が、場所を問わず質の高いトレーニングを受けられるように設計されています。
超音波診断は、患者への負担が少なく、被ばくリスクもないため、医療の現場で広く利用されています。しかし、その診断精度は術者のスキルに大きく依存しており、経験の差によるばらつきが問題視されています。特に、離島や山間部の医療機関では、技術向上のためのトレーニング機会が限られている状況です。こうした背景を踏まえ、GEヘルスケアは、この技術的課題に対応すべく、遠隔での高品質なトレーニングを提供することを決定しました。
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サービスの概要と特徴
本サービスは、NTTコミュニケーションズが提供する「Smart vLive®」を使用しています。「Smart vLive®」は、低遅延の映像配信が可能であり、最大4つの異なるカメラアングルを利用したマルチビュー映像を提供します。これにより、遠隔地にいる受講者は、講師の手技や超音波画像を複数の視点から同時に確認できるため、より実践的で質の高い学習が可能となります。
また、このプラットフォームは、双方向の音声コミュニケーションをサポートしています。これにより、講師と受講者がリアルタイムで質問やフィードバックを行いながらトレーニングを進行できるため、より効果的な学習体験を提供します。従来の座学形式の講義や録画されたトレーニングビデオに比べ、参加型のトレーニングによって、受講者の理解度が大幅に向上すると期待されています。
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マルチビュー配信の利点
GEヘルスケアの遠隔トレーニングサービスは、単に講師の技術を見せるだけではなく、受講者がリアルタイムで学べる高度なインタラクティブな体験を提供します。マルチビュー機能を使うことで、以下のようなメリットが得られます:
- 複数の視点での学習: 手技や診断に関する講師の動作を、複数のカメラアングルから観察できるため、技術の細かな部分まで確認できます。
- リアルタイムの診断画像確認: 超音波画像診断装置から直接取得した診断画像を、他のカメラ映像と同時に確認でき、講師の手技と診断結果を照らし合わせて学習することが可能です。
- 双方向コミュニケーション: 講師と受講者が直接コミュニケーションをとることができるため、質問や意見交換がその場で行え、理解度が向上します。
今後の展開と展望
GEヘルスケアは、この遠隔トレーニングサービスをまずは医師の偏在が課題とされている北海道エリアから提供を開始します。2024年度中にはサービスを全国へと順次拡大する計画です。特に地方や離島など、物理的な制約で十分な教育機会を得られなかった医療従事者にとって、これらのトレーニングが新たな技術習得の大きな機会となるでしょう。
さらに中長期的には、このサービスをグローバルにも展開し、日本発の超音波機器トレーニングプロジェクトとして、世界中の医療現場で活用されることを目指しています。この遠隔トレーニングサービスは、国内外の医療スキル向上に貢献するための重要なステップとなるでしょう。