2024年1-5月の農林水産物・食品輸出状況と今後の展望

1. 総合概要

2024年1月から5月までの日本の農林水産物・食品の輸出額は5,364億円となりました。前年同期比で1.2%減少しましたが、その背景には中国向けの輸出減少が大きく影響しています。

 

2. 中国向け輸出の減少

中国向けの輸出額は658億円で、前年同期比で42.0%減少しました。この減少は昨年夏のALPS処理水放出後の影響が続いていることが主な要因です。

 

主要品目の減少

ホタテ貝（生鮮等）：126億円の減少

ウィスキー：48億円の減少

なまこ（調製）：39億円の減少

 

3. 中国以外の国向けの輸出増加

一方で、中国以外の国向けの輸出額は4,706億円で、前年同期比9.5%増加しました。特にアメリカ、カナダ、ドイツ、ベトナム、台湾などが主な輸出先として挙げられます。

主要品目の増加

ソース混合調味料：49億円の増加（主な輸出先：アメリカ、カナダ、ドイツ）

緑茶：41億円の増加（主な輸出先：アメリカ、ドイツ、カナダ）

丸太：21億円の増加（主な輸出先：中国）

 

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4. 国別輸出額の増減

増加が顕著な国・地域

アメリカ：171億円の増加（主な品目：ホタテ貝、緑茶、ソース混合調味料）

ベトナム：69億円の増加（主な品目：ホタテ貝、粉乳）

台湾：53億円の増加（主な品目：りんご、牛肉、ホタテ貝）

 

減少が顕著な国・地域

中国：477億円の減少（主な品目：ホタテ貝、ウィスキー、なまこ）

香港：84億円の減少（主な品目：ホタテ貝、さんご、真珠）

フィリピン：23億円の減少（主な品目：合板、粉乳）

 

5. まとめと今後の展望

現状分析

2024年1-5月の農林水産物・食品の輸出額は、中国向けの減少が大きく影響したものの、中国以外の国々への輸出が増加しています。特にアメリカやベトナム、台湾などへの輸出が顕著に増加しており、今後もこれらの市場に対する輸出強化が求められます。

 

今後の戦略

1. 中国市場の回復：ALPS処理水放出問題の影響を最小限に抑えるための戦略的なマーケティングと外交努力が必要です。
2. 新興市場の開拓：ベトナムや台湾などの成長市場への輸出をさらに強化するための新たな商品開発とマーケティング戦略を実施します。
3. 品質向上とブランド力の強化：日本の農林水産物の高品質をアピールし、ブランド価値を向上させる取り組みを強化します。

 

 

参照元：2024年1-5月 農林水産物・食品の輸出額(PDF : 795KB)