ASCIIの記事によると、DIYに興味あるけど趣味というほど活動していないオジサンの筆者が、気になる工具を触りまくる連載です。第5回目はペン型電動精密ドライバー「TORCRAFT」です。
写真:アスキー
電動工具は、基本的に実用品。速度やパワー、持続性、正確性などを補助し、手動よりも簡単で高効率な作業を実現してくれるものが大半です。 しかし、中には実用性というより、ただ純粋に物欲が刺激されるという「ロマン枠」としか言いようがない工具も存在します。今回紹介する「TORCRAFT」も、こういったロマン枠となる工具のひとつでしょう。
TORCRAFTは、ジャンルとしては電動ドライバー。ただし、コンパクトなペン型で、小さなネジを扱う精密ドライバーとなるのが、一般的な電動ドライバーとの大きな違いです。 そもそも、小さいネジは力がいらず、短いものが多いため回す労力が少なく、工場で大量生産するのでもなければ一度に扱う数も大したことありません。つまり、電動で補助されるメリットがかなり薄い。「手動でいいじゃん」と言われてしまうとまさにその通りで、反論するのは難しいでしょう。
しかし、この細さなのにソコソコ強いモーターを内蔵しているとか、充電がUSB Type-Cだとか、特殊ネジ用のビットが充実しているとか、ケースがカッコイイとか、ガジェットとしての魅力にあふれているのもまた事実。一般的なユーザーの実用性とか、使う予定とかはとりあえず横に置いて、欲しくなる工具です。
コツをつかめば意外と使いやすい ペン型電動ドライバー 本体のスイッチは3つ。ビットを取り付ける先端から順に、正転(右回り)、反転(左回り)、ライトです。 形状が円筒形となっているため、しっかりホールドするにはどう持てばいいのか、少し悩みました。普通に鉛筆やボールペンを握るような感じで持ち、人差し指で回転ボタンを押す、というのもありですが、これだと押すときボタンが見づらいという欠点が。また、ドライバーの先が揺れやすい、垂直で固定しづらいという点も気になります。 そこで、親指でボタンを押すようにしたところ、これらの欠点や不満は解消。安定して回せるようになりました。
ただし、この持ち方であまり押し付けずに握っていると、ネジを締める際に頭をなめてしまうことがあります。最後まで電動で締めず、ある程度からは手回しで締めるほうが安全でしょう。
慣れてくると、押し付け気味に軽く握り、指との摩擦でトルク調節する(本体が回ると勝手にボタンから指が離れる)みたいなことができますが、失敗したときのダメージも大きいので、練習してからの方がいいと思います。
しっかり最後まで電動で締めたい場合は、空回りや押し付け力が不足しないよう、両手で持った方が安定します。また、固いネジを外すときも、この持ち方がオススメ。本体が長いからこそできる握り方ですね。 ライトは先端部分が一周ぐるりと光り、影の少ない照らし方をしてくれるのがうれしいところ。小さなネジは奥まった場所にあったり、見えづらい場所にあったりすることも多いので、こういった見やすいライトは素直にうれしいです。
付属のビットは全48種類。定番はもちろん、特殊なネジもそろっているので、小型機器なんかを分解している人には結構便利です。なお、トルクが強くないこともあって、大きなビットはありません。プラスでいえばPH2までなので、あくまで精密ドライバーと考えておきましょう。
ビットはケースにマグネットでくっついているので、勝手に外れてぐちゃぐちゃにならないのもいいところ。表と裏に24種類ずつ格納されています。 ちなみに、このビットがくっついているケースはプラスチックですが、これをしまうカバー部分はアルミ製の質感高いもの。見た目にもカッコイイので、こういった部分にも所有欲がくすぐられます。 ピンセット、マグネタイザー、マグネットマットなど ドライバー以外の付属品が実用的 ドライバーとビット、そしてケースというメインのアイテムだけでだいぶ満足感がありますが、実は、それ以外の付属品も実用的。
スマホやタブレット、ゲーム機などの修理が想定されているのか、こじ開けに使うピック(2種類)やヘラ、吸盤、SIMピン等が同梱されていました。 個人的に実用的だと思ったのは、ピンセットとマグネタイザー、そしてマグネットマットの3つです。
まずピンセット。これ、普通のピンセットではなく非磁性となっており、磁力を帯びていません。これの何がいいかといえば、小さなネジがピンセットにくっつかないこと。
ネジ穴にピンセットでネジをセットする、というシーンは多いのですが、この時、ピンセットが磁力を帯びていると、せっかくセットしたネジがくっついて来てしまうのです。これが防げるというだけでも、非磁性のピンセットは非常に便利です。
続いて、マグネタイザー。ビットを磁化するのに使う道具です。ビットをドライバーに装着し、「Magnetize」と書かれている四角い穴に数回出し入れしてやると、ビットが磁力を帯びます。これで、ネジがビットにくっついてくれるようになります。
この逆に、磁力をなくしたい場合は、「Demagnetize」と書かれている上の部分で数回こすりましょう。
最後が、マグネットマット。ただのゴム磁石なんですが、白いラインで領域が区切られているため、ネジの種類や外した順番ごとに並べる、といったことが簡単にできるのがポイント。多少斜めにしてもネジは動かないので、失くし難いというのもメリットです。
普通のお皿とかでもいいのですが、ひっくり返してネジを失くしたことがあるといううっかりさんには、マグネットマットはかなり便利に感じるハズです。というか、感じました。
精密ドライバーというだけあって力は強くないが 手に入れて使いこなしたくなる工具
小さなペン型ということもあって、トルクは弱め。2×4材の端材に3mmの木ネジ(16mm)がどこまで入るか試したところ、入ったのはたったの約5mm。もちろん、こういった用途で使う道具じゃないというのもありますが、力が強くないというのはわかってもらえるでしょう。
そうはいっても、小さなネジの頭を潰せるくらいには強力なので、押し付けが足りずに空回りさせるというのはNGです。また、強く締めようと最後まで電動で回すと、プラスチックに切られたネジ穴なんかは簡単にバカになります。
このあたりの力加減は慣れるしかないので、練習しておきたいところ。怖ければ電動を頼るのは途中までで、最後は手締めする方が安全ですね。 利用に注意が必要で扱いが難しいなら手動でいいのではということに気づいてしまいそうになりますが、それはそれ。ガジェットとして魅力的だという点だけで、手に入れたくなる工具です。
●お気に入りポイント● ・充電がUSB Type-C ・ビットも含め、付属品が実用的 ・ちっこい電動工具っていうだけで欲しくなる
記事全文はこちら
⭐️商品をAmazonでのご購入はこちらから⭐️