こんばんは。今日はマレーシア向け和牛のblogを書いたのですが、先程ハラール対応の和牛輸出についての記事を発見したので転載します。
2023年7月20日読売新聞によると、「WAGYU(和牛)」人気が海外で高まる中、イスラム圏への牛肉輸出が拡大している。イスラム教徒(ムスリム)向けに戒律に沿って牛を処理するハラール認証を受けた食肉センターは2009年以降、国内に7か所整備され、イスラム圏への輸出額は直近の3年間で4倍の25億円に急増。政府も世界人口の4分の1を占めるムスリム市場をにらみ、輸出支援に力を入れる。(南部さやか)
6月下旬、神戸市北区の「三田食肉センター」の大型冷凍庫にサウジアラビアやカタールなど中東の国々に輸出する枝肉がつり下げられていた。多くが軟らかな肉質で、海外で「WAGYU」として人気の高価格帯の肉で、神戸ビーフも扱っている。
センターは14年、国の交付金を活用し、国内で3番目にハラール認証を取得した。「和牛はイスラム圏でも富裕層を中心に人気が高く、問い合わせが増えている」。品質管理を担当するマレーシア出身の木全吾寿来(きまたあひく)さん(23)は話す。
ハラール認証を受けるには、専門知識を学んだムスリムの男性が祈りを捧げ、牛の首を切って処理するなどの基準を満たす必要がある。最低3人のムスリムの立ち会いも必要で、センターでは木全さんらムスリムの職員計10人が働いている。
ハラール認証を受けた牛肉の輸出は、09年に政府とアラブ首長国連邦(UAE)との輸出協議がまとまったのを機に開始。現在、輸出先は6か国に増え、対応した食肉センターも三田食肉センターのほか、北海道と大阪府に各1施設、徳島県、熊本県に各2施設ある。
政府は認証取得のための経費を交付金で支援をしており、24年には宮崎県にも新たに誕生する予定だ。
政府が支援に力を入れる背景には、世界経済におけるイスラム圏の存在感が増していることがある。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、世界のムスリムの数は20年時点で約19億人で、人口の24・9%。50年には27億6000万人と人口の3割となり、トップのキリスト教徒と並ぶと見込まれている
経済成長率も高く、米調査会社の報告書によると、アフリカ、中東、東南アジアの57の国・地域が加盟するイスラム協力機構(OIC)の20~26年にかけての国内総生産(GDP)の成長率は年平均7%で、世界平均の6・4%を上回る見通しだ。
ハラール牛肉の輸出額の推移
政府は、人口減で国内市場が縮小する中、農林水産物・食品の輸出額を19年の9121億円から30年までに5兆円とする目標を掲げている。特に牛肉は19年実績の297億円から、30年には10倍以上の3600億円とする目標で、イスラム圏への進出は欠かせない。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、世界のムスリムの数は20年時点で約19億人で、人口の24・9%。50年には27億6000万人と人口の3割となり、トップのキリスト教徒と並ぶと見込まれている。
ハラール牛肉の輸出国
22年実績でみると、牛肉輸出額520億円のうち、米国や香港、台湾が上位を占め、イスラム圏はまだ25億円だが、19年からの伸び率は牛肉全体が2倍なのに対しイスラム圏は4倍。輸出額に占める割合も2%から5%に高まり、23年は1~5月だけで11億円と過去最高を更新するペースだ。
農林水産省は「イスラム圏は経済成長が著しく、今後も食料輸入量が増える」とし、各国と協議を進め、輸出先を拡大する方針だ。
◆ ハラール認証 =ハラールは、アラビア語で「(神に)許されたもの」を意味する。イスラム教では、豚肉や酒の摂取を禁じ、牛肉も定められた方法で処理したものしか口にできない。処理方法を順守していることを示すのがハラール認証で、イスラム圏の各国が公認した日本国内の団体から認証を受ける必要がある。
2025年の大阪・関西万博を控え、ハラール牛肉の国内需要の伸びも期待される。 アジアでもムスリムが多いマレーシアとインドネシアからのインバウンド(訪日外国人客)は、09年の15万人から、コロナ禍前の19年には91万人と大幅に増加。コロナ禍も収まり、今後も回復が見込まれている。
「神戸牛ステーキ桜」(神戸市)は19年からハラール牛肉の提供を始めた。値段は通常の1・5割増しだが、今年の利用客はコロナ禍前を上回る。7日、インドネシアから観光で訪れた会社員ワンダ・バクシンさん(38)は「肉がとても軟らかくておいしい。日本はハラール対応の店がまだ少なく、安心して楽しめるのでありがたい」と話していた。
日本政府観光局が開設するサイトが掲載するムスリム向けの飲食店は16年度の97件から22年度は184件に倍増。6月21日には大阪市内で飲食店や企業向けにハラール認証の勉強会が開かれ、主催企業は「関西では万博に向けて、関心が高まっている」と話す。
読売新聞記事原文はこちら
それではまた次回K-blogでお会いしましょう。