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8月20日FNNプライムオンラインによると、食卓に欠かせない海産物。刺身や煮魚、寿司など、私たちはざまざまな形で魚を楽しんでいる。
長年、豊富な種類の魚介類を安価に消費してきたが、今後はそうは言っていられない状況が起きているという。 魚食文化における影響力は健在ながらも、経済力やルール面で国際的に後れを取り始めている日本。 そんな日本の海、そして世界の海で起こっていること、輸入される海産物の現状などを水産アナリスト・小平桃郎さんの著書『回転寿司からサカナが消える日』(扶桑社)から一部抜粋・再編集して紹介する。 今回はマグロ。しかし、これも気軽に食べられなくなる日が近づいているという。
日本は今でも世界のマグロ消費量の4分の1を占めるマグロ消費大国です。しかし、日本が世界のマグロ市場で存在感を発揮していたのは6、7年前くらいまでです。 韓国にある釜山港は、日本の主要都市や中国などにもアクセスしやすいという点で、現在、冷凍マグロの世界最大の集積地となっています。 その釜山港が流通のハブとして機能しているのはマグロだけではなく、カニやエビでも同様です。成長を続ける中国の水産業界との結びつきが歴史的に強いため、釜山港のプレゼンスは今後も高まっていくものと思われます。 中国の水産業者やバイヤーが海外でまとめ買いした水産物を釜山で荷揚げし、現地で切り分けや加工を行って大部分を中国市場に持ち込み、余剰品は日本や東南アジアに分配するという流れが、アジアにおける水産流通の今後のトレンドになりそうです。 それを知ると「中国の残り物を食べさせられている」といった気がするかもしれません。
しかし、そもそも日本では大トロはさほど需要はありませんでした。中国が大トロを高く買ってくれるからこそ、日本人は赤身を比較的安く食べられているのです。 中国と同様に、ここ数年マグロの需要が伸びているのがアメリカです。 全輸出量の8割ほどを日本が輸入していたメキシコ産養殖クロマグロをめぐっては、2020年からアメリカへ輸出されることが多くなったのです。 そして2021年にはアメリカの輸入量が日本をわずかに上回りました。 今後、数年以内にメキシコ産養殖クロマグロの7割がアメリカへ輸出されるようになり、日本への輸出分は2割未満にとどまるようになると私は見ています。
こうした世界での買い負けの原因は、ほかにもあります。 水産物に対する舌が肥えている日本人を消費者として抱える日本の水産業者は、海外で買い付ける際、要求が高すぎるのです。 品質や規格が基準に見合う品物だけを選別することはもちろんのこと、在庫を抱えるのが悪とされているので小ロットで発注します。 一方、米中の業者は細かいことは言わず大ロットで仕入れる。品質重視はいいことですが、どちらがお客さんとして歓迎されるか、言わずもがな。
そんななか、マグロに限らず日本市場は海外の生産者にだんだん相手にされなくなってきているのです。水産業界の三大展示会の開催地はアメリカ、スペイン(2021年まではベルギー)、中国で、残念ながら日本は入っていないことを見てもよくわかります。
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それではまた次回、K-blogでお会いしましょう。